それからは、なるべく蒼くんに会わないように過ごした。
でもそういうときに限って姿を見てしまうものだから、声をかけられないように避け続けた。
こうやって距離をとっていれば、いつかきっと、綺麗な初恋の想い出だけを残せるはず。そう、信じて。
「ごめん、今日体育委員でランチミーティングがあるのわすれてた!」
伊織ちゃんがそう言ったのは、4時間目が終わった後。
これからさあお弁当、という時だった。
「ランチミーティング?」
「うん。みんなでお昼取りながらミーティングするの。2学期にクラスマッチあるじゃん?その企画を兼ねての」
そっか。
伊織ちゃん、体育委員だもね。