君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



蒼くんの姿が見えなくなると、



「蒼先輩、今日もイケメンだな~」



まるで女子のような発言をし、そのあと心臓が止まるようなことを言った。



「さすがリア充は、イケメンっぷりも駄々洩れってわけか~」



……え?


リア充って、誰のこと……。


その疑問を、すかさず伊織ちゃんが工藤くんに向ける。



「ねえ、リア充って誰が?」


「んー?蒼先輩のことだけど」


「ちょ、ちょっと。リア充って意味わかってる?」


「ああわかってるさ。この間蒼先輩、試合に彼女連れてきてラブラブだったんだよ」



彼女……って?


蒼くんに彼女……?


なんの話をしているのかまったくわからない。



「帰りなんて恋人繋ぎして学校出てったぜ。他校だったから油断してたのかもしれないけど、俺ばっちりみちゃったし!」