蒼くんの姿が見えなくなると、
「蒼先輩、今日もイケメンだな~」
まるで女子のような発言をし、そのあと心臓が止まるようなことを言った。
「さすがリア充は、イケメンっぷりも駄々洩れってわけか~」
……え?
リア充って、誰のこと……。
その疑問を、すかさず伊織ちゃんが工藤くんに向ける。
「ねえ、リア充って誰が?」
「んー?蒼先輩のことだけど」
「ちょ、ちょっと。リア充って意味わかってる?」
「ああわかってるさ。この間蒼先輩、試合に彼女連れてきてラブラブだったんだよ」
彼女……って?
蒼くんに彼女……?
なんの話をしているのかまったくわからない。
「帰りなんて恋人繋ぎして学校出てったぜ。他校だったから油断してたのかもしれないけど、俺ばっちりみちゃったし!」



