「あ……」
そこで、ふと手に目が行く。
やだっ。ずっと握られたままだったんだ……!
「わっ!」
久我くんは、慌てたようにその手を離した。
ぶわっと汗が吹き出し一気に体が熱くなる。
あまりに自然すぎて、手を握られていること忘れちゃってたよ。
「ごめんっ」
「ううんっ……」
久我くんの顔も真っ赤。
それを見て、さらにドキドキしてくる。
「ああっ!」
「えっ!?」
すると、久我くんがいきなり大きな声を上げるものだから、オーバーにおどろいてしまう。
「はぁー……やべえ……蒼先輩に……」
そんなあたしの隣で頭を落とす久我くんは、落ち込んでるって顔。