「うん。なんだか秘密を作ってるみたいで少し心苦しいの。それに、遅くなればなるほど、なんで言ってくれなかったのってなるかなって」
仲良しならなおさら。
女子の友情にヒビが入るのが簡単なこと、あたしはよく知っている。
「これは秘密とは違うよ。それに、田中はそういうことでどうこう言う奴じゃないだろ？」
そんなあたしの不安を、彼はきっぱり否定した。
「……う、うん」
「軽く言えるような話じゃないし、永井のタイミングでいいと思う。焦るな」
―――ドキッ。
久我くんの瞳と声に、胸が大きく反応した。
だってあまりにもそれが真剣だったから。
こんな風に真剣に考えてくれるなんて、思ってもみなかった。
久我くんが時折見せる優しさは知っていたけど、彼は本当に優しい人なんだと思った。
