「こんな話、じゃないよ」
久我くんは、ゆっくり首を横に振る。
「そんな大切なこと、話してくれてありがとう」
そして、まだ震えているあたしの手を優しく握った。
……久我くん。
その手は、あたしの手をすっぽり包んでしまうほど大きくて……心許なかった気持ちまで包んでくれているようだった。
不思議と、震えが収まっていく。
「正直……すごいびっくりしてる」
選ぶようにゆっくり言葉を落とす久我くん。
「つらい思い……してたんだな……」
寄り添ってくれるような言葉に、涙腺が緩みそうになった。
「俺……ガキだし……なんて言っていいのかわかんないけど……」
ううん。
「今一番に思うのは、悲しい思いしてた永井に、俺なんてこと言ったんだろうって……自分に腹立って仕方ない」



