「2年半……がんばったけど……肺に転移して……余命を言われて……それから3カ月後の冬の寒い日……お兄ちゃんは……逝っちゃった……」
きっと一生わすれることのできない2年半の記憶を、さらに胸に刻み付けるように言葉にすると。
手が、ふっと軽くなった。
目を開けると、持っていたはずのペットボトルが久我くんの手に渡っていた。
久我くんは、なにも言わずただじっとあたしの目を見つめていた。
「……ごめんね……こんな話、して……」
謝らずにはいられなかった。
だって。
久我くんの目が、見たこともないくらい切なげに揺れていたから。
こんなこといきなり打ち明けられて、びっくりするよね。
重いよね……。
やっぱり話さなきゃよかったかな、と後悔の念にとらわれていると。



