「……あたしのお兄ちゃん、ね……」
だからこそ、あたしは口を開いた。
「病気で……」
声が、震える。
……がんばれ、あたし……。
「……亡くなったの……」
言い切った瞬間、ぎゅっと目を閉じた。
……つらかった。
この事実をはじめて自分の口に乗せたことで、認めたくなかった事実を認めてしまったような気がして。
隣からは息をのむような気配が伝わってきたけれど、あたしはそのまま続けた。
「お兄ちゃんが中学2年の時に、骨のガンが見つかったの……。手術をしたんだけど、再発を繰り返して……」
脳裏に、闘病中のお兄ちゃんの姿が映る。
全部覚えてる。
お兄ちゃんが、どうやって病気と闘っていたか。そのすべてを。



