口を真一文字に結んだまま、何かの我慢大会でもしているようなあたしたちのそばを、人々が行き交っていく。
背中に汗が流れる。
暑いんだろうか……。
違う……冷たい汗だ。
……頭が……クラクラする。
「こっち来い」
すると、グイっと手を引っ張られ、すぐ近くの木陰にあったベンチまで連れていかれた。
あたしを座らせると、ひとりどこかへ消えた久我くんは、ペットボトルを手に戻ってきた。
「とりあえず、これ飲んで」
渡されたのはミネラルウォーター。
「大丈夫か?今にも倒れそうな顔してた……あの時みたいに……」
あのとき、とは。
教室で意識を失って、久我くんが保健室まで運んで行ってくれた時のことだよね。



