君が泣いたら、俺が守ってあげるから。



あの人が伊織ちゃんを誘った先輩かな?


その先輩は群を抜いてイケメンだった。

少し茶色く染めたサラサラの髪に、爽やかな笑顔が眩しい。

……相当モテそう。



「来てくれたんだ!」



先輩はあたし達の真下までやってくる。


同時に、その視線を追うように女の子たちの目もこっちへ向けられる。


わわっ。

伊織ちゃん、すごい注目浴びちゃってるけど……!



「郁人(イクト)先輩!こんにちは!」



伊織ちゃんは、そんな周りに気づいているのかいないのか、先輩に向かって優しく手を振り返す。



「ゆっくり見てって!」


「はい、がんばってくださいね!」


「おう!ありがと!」



先輩は満足そうに笑うと、またすぐにプレーに戻って行った。

そして誰よりも張り切って、ゴールをばんばん決めていく。


そんな様子を見て、ふと思う。