さっきよりも強い意志をもって、蒼先輩を見つめると。
「ごめん……」
蒼先輩は急に勢いを失くし。
俺の視線から逃れるように目を伏せた。
……ずるいっすよ、蒼先輩……。
そんな風に謝られたら、なにも言えなくなるだろ。
「……失礼しますっ」
これ以上追求しても、俺の納得する言葉なんて聞けないだろう。
怒りが爆発する前に、俺の方からその場を離れた。
蒼先輩の表情の奥に隠された真意。
それを想像することなんて、このときの俺には出来るわけなかった。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…