……っ。
全身に血がめぐってカッと熱くなった。
その言い方が、まるで自分がバカにされたようで。
汗が床に滴り落ちる。
次から次へと溢れる汗が、体にまとわりついて気持ち悪い。
「永井のこと傷つけたら、蒼先輩でも許しませんから」
これじゃあ、俺が永井を好きだと宣言してるようなものだ。
でも止まらなかった。
本気で、傷つけないでほしいと願ったから。
「凜太朗は、美紗のこと好きなの?」
「……だったらなんなんですか?」
売り言葉に買い言葉だった。
俺の返答次第で何かが変わるわけでもないだろうに。
先輩じゃなければ、手が出ていたかもしれない。