着替えを済ませ体育館へ入る。
1年生は先輩より先にコートへ入り、モップ掛けや用具の準備をするのが部のしきたりだ。
13人いる1年部員で、手分けして仕事をこなしていく。
準備が終わったころ、先輩たちがやってきた。
ボールを手に取り、ウォーミングアップがてらシュートを放っていく。
俺の目は、自然と蒼先輩を追っていた。
手のひらに吸い付くような華麗なドリブルをし、綺麗な放物線を描いてゴールに収まるボール。
バスケの神様に好かれた天才……ってとこか。
俺はボールを片手に持ち、蒼先輩に歩み寄った。
「蒼先輩、一勝負しましょうよ」
プレーで勝てるとは思ってない。
けど、気持ちでは負けない自信があった。



