「さっきの子、泣いてたぞー」
「……」
「今度青葉で試合するときは、全員敵だと思って来るんだな」
「……るせーなあ」
余計なお世話だと思いながら、先を行く絢斗のあとをたらたら歩いていると。
「おっと」
昇降口近くまで来たとき、絢斗が急に足を止めた。
「なんだよ」
「シッ!」
絢斗が人差し指を口に当ててどこかを見ている。
……ん?
俺もそこに目をやると。
昇降口で靴を履いている蒼先輩と……女の人がいた。
桜園高校の制服を着た、背の低い小柄な女。
蒼先輩を見上げながら嬉しそうにニコニコ話している。
「あれさ、ぜってー蒼先輩の彼女だと思うんだよな」
「……っ」



