思わず、大きく深呼吸する。
……お兄ちゃん、というワードでまた呼吸が苦しくならないように。
「進展とかあった?」
あの先輩、とは蒼くんのこと以外にない。
どうもこうも……なにもない。
「な、なにもないよっ……」
「ふーん、そっかぁ……」
歯切れの悪い伊織ちゃん。
そこで一旦会話が途切れたけど、次に口を開いたのも伊織ちゃんだった。
「最近さぁ、美紗と凛太朗くんって仲いいなぁって思って」
可愛らしく微笑む伊織ちゃんが何を言いたいのかよくわからない。
仲、いいのかな?
そりゃあ、隣の席だから話す機会が多いのは自然なことだろうと思うけど……。
「先輩もいいけど、凛太朗くんなんてどう?」
「えっ?」
どうって、伊織ちゃん。



