お兄ちゃんの病状もだんだん悪化していき、学校生活を心から楽しむなんてできなくて。
遊びの誘いを断ったりしているうちに『つき合い悪いよね』とか『一緒にいてもつまんない』など言われ、だんだん友達も離れて行ったんだ。
みんなの態度が変わったのは、お兄ちゃんが亡くなったあと。
その事実は、中学時代に所属していた野球部の後輩たちにも伝わり、お葬式にも大勢来てくれた。
つまり、あたしのクラスメイトの男の子たちも。
よって、あっという間に知れ渡ったそれは、あたしへの見る目を180度変えた。
『永井さん、大変だったんだね』
『力になってあげられなくてごめんね』
卒業までの3ヵ月は、学校へ行けば哀れまれて。
それはそれで苦痛だった。