親友の妹として、あたしを気にかけてくれているのは分かってる。

あたしになんて、恋愛感情なんて1ミリも持ってないこと。


それでも。


蒼くんの優しさは、あたしが笑顔でいられる理由。



「じゃあ、俺着替えてくるから昇降口で待ってて」



だから、そう言って保健室を出ていく蒼くんを、黙って見送るしか出来なかった。





外は、いつもと変わらず部活動をする生徒で賑わっていた。


そんな光景を眺めながら、蒼くんを待っていると。


Tシャツにハーフパンツ姿の背の高い集団を見つける。

……バスケ部だ。