「絢斗~、凜太朗~」
そのとき、この不思議な空気を壊すような声が響いた。
トクンッ……。
まさか……この声は。
だけど、好きな人の声を聞き間違えるわけない。
引き寄せられるように声の元へ首を振れば、そこにはやっぱり愛しい人の姿があった。
……蒼くん……。
「蒼先輩!?どうしたんっすか?」
先輩がわざわざ来たのに驚いたのか、工藤くんと久我くんは立ち上がって目を丸くする。
蒼くんは教室に入ってきてここまでくると、ふたりにプリントを渡した。
「これ、名前書いて提出してだって」
「言ってもらえたら、俺らの方から取りに行きましたよ」
「八木ちゃん、俺の担任だからさ~」



