優しい蒼くんは、お兄ちゃんの妹であるあたしのことを、お兄ちゃんが亡くなったいまでも気にかけてくれている。


いつもお兄ちゃんはあたしのこと「危なっかしくて放っておけない」なんて言ってたし。


あたしは、蒼くんの優しさに甘えてるのかな……。



「蒼くんには、蒼くんの人生を歩んでほしいから」



お兄ちゃんの最期の最期まで尽くしてくれた蒼くんの幸せは、家族全員の思い。


それはあたしだって同じだけど。


好きなんだからしょうがない。


妹みたいなあたしが好きだなんて告げたら、蒼くんは戸惑っちゃうよね。


だからって、お兄ちゃんのためとか、そんな理由で気持ちに応えられてもうれしくない。


お兄ちゃんの妹としてじゃなく、ひとりの女の子として蒼くんが好きで。

おなじように、ひとりの女の子として見て欲しい。