決して見てたわけじゃありませんっ。
いや、見てたんだけどっ……。
ああっ……と思いながら、怪しく前髪を直してみたりしたあたしに。
「俺、気付かないうちに意識失ってることあるから、そんときはよろしく」
「ええっ!?」
突然そんなお願いをされて面食らう。
そんな大役を任されても……。
意識失うって……一大事じゃない!?
久我くんて、持病を持ってるの……?
大丈夫……?
なんとなく人ごとじゃない、と不安になったとき。
「どうしたの?」
「へ……?」
「そんな悲壮な顔して」
軽く言う久我くんの顔は、ひょうひょうとしていた。
反対に、あたしは確かにいま険しい顔してるかも。
「だ、だって……意識失うって……」



