「えーっとね、20番」
「うそっ!あたし13番だから前後だよ!?」
「ほんとにっ!?」
黒板を見ると、机に見立てた絵があって、その中に番号が書かれている。
伊織ちゃんのいうとおり、20番と13番は前後だった。
「きゃあ~」
「やったぁ~」
あたしたちは手をとって飛び跳ねて喜びあう。
しかも、20番は窓際の一番後ろの席という特等席。
あたしってツイてるかも。
「じゃあ、番号のところに移動しろー」
くじ引きが終わり、担任の声でみんなが机を移動させる。
「わ~、これからはいつもこうやってお喋り出来るね」
振り返ってニコリと笑う伊織ちゃん。
「うんっ!」
もう隣の男の子とか誰でもいい。
伊織ちゃんさえ前にいてくれればそれで十分だもん。