今ならその理由がわかる。
そして、それで良かったんだと。
転校したっきり会えなかったふたりの、4年越しの再会。
そして、永遠の別れだったんだから……。
陽菜ちゃんとは、そのあともちゃんと話をする機会はなかった。
だから、こうやってまともに向かい合うのは小学生以来。
あまりの懐かしさに、手を取り合ってはしゃいだ。
「美紗ちゃん可愛くなったね。すっかり見違えちゃた」
「やだ陽菜ちゃん!陽菜ちゃんだって相変わらず可愛いよ」
陽菜ちゃんの言葉はお世辞として、あたしが言ったのは心の底からの言葉。
陽菜ちゃんて、雰囲気が柔らかくてすごく女の子らしい。
あたしと違って、誰からも愛されるタイプだと思う。
「もー、そんなこと言ったってなにも出ないからね、ふふふ」
あー、ほんと可愛い。
お兄ちゃんが好きになったの、すごくよくわかるよ。
お兄ちゃんのお嫁さんになって……あたしのお義姉さんになってくれたらどんなに良かっただろう……。