家族とのお別れをすませると、お兄ちゃんの意識は薄れて。
呼びかけにも反応しなくなった。
あたしはただただ怖くて、病室の隅で膝を抱えて丸くなっていた。
なのに。
陽菜ちゃんが来た途端、お兄ちゃんはまた意識をハッキリさせたんだ。
『陽菜』
って、名前を呼んで。
あたしは思わず立ち上がって、お兄ちゃんの所へ駆け出そうとした。
だって、意識が戻ったなら、あたしだってお兄ちゃんの近くへ行きたいから。
でも、
『行っちゃだめよ』
お姉ちゃんが、その体を止めた。
どうして?
お兄ちゃんはあたしのお兄ちゃんなのに……。
それでも、あたしはお兄ちゃんの元へ行くことは許されず、そのままお姉ちゃんの胸の中で、声をあげて泣いたんだ。



