お兄ちゃんの最期のときも、病院に駆け付けてくれた。蒼くんと一緒に。
寒い寒い冬の日。
この数日間が山かもしれないと宣告され、あたしは3日前から学校を休んでお兄ちゃんの病室にいた。
そして、ついにその時がやってきた。
『きっと、これが最後だと思います……』
ずっとお兄ちゃんを診てくれていた医師の言葉に、お父さんが『お兄ちゃんとお話ししなさい』と、最期の別れを促した。
『お兄ちゃん、いやだよおおっ……!』
わかっていたけど、いざその時がきたら受け入れることなんてできなかった。
お兄ちゃんの腕に手を添えて、泣きながらそう言い続けた。
お兄ちゃんは、笑ってた。
『美紗……受験……がんばれよ……』
『……っ……ううっ……』
『お兄ちゃんは……美紗が……大好きだ……』
苦しそうな顔なんて、少しも見せずに。



