「うっ……ううっ……」 もう一度、会いたいよ。 ねえ、お兄ちゃん……。 どうして、どうしてっ……。 どうにもならない感情が、胸の中を渦巻いて叫びだしたくなる。 ーーーガタンッ……。 そのとき、誰もいないはずの教室から大きな音が聞こえ、ビクッと肩を揺らした。 ……なに……? 顔をあげると、滲んだ視界に人影が見えた。 「……あ、ごめん」 聞こえてきたのは、男の子の声。 「忘れ物して……」