すると紗由は目を輝かせて「それは良かったじゃない!」と言った。


「やるわね、麗。あんたがこんなにできる子だと思わなかったわ」

「それどういう意味!?」


するとクラスメイトがやってきて言った。



「紗由、次の授業移動教室だって。一緒に行こう?」



どくんと心臓は嫌な音をたてて鼓動した。


次の授業は今日の最後の授業だ。

やっと今日が終わる、今日が終わって放課後に椎先輩に会える。

その希望があったから今日はいつもより前向きに頑張れたのに、こんなところで絶望に突き落とされるなんて。


移動教室に一緒に行こうと誘われた紗由は「いいけど…」と顔を少し曇らせて私を見た。




「麗も一緒に行かない?」





瞬間、空気が止まった。