グルグルと頭を悩ませながら、ご飯を口に運ぶ。


どうしたらこのまま小春ちゃんでいられるか。


どうしたら小春ちゃんになれるか。


どうしたらこの生活をあたしのものにできるのか……。


そんな事ばかり考えていたら、あっという間にご飯を食べ終えてしまった。


「小春さんの食欲があって安心した」


キョウカちゃんにそう言われ、ハッと我に返る。


そうだ、あたしは今日は風邪をひいているんだった。


「えへへ。すぐに治るかもね」


あたしはそう言い、マスクをつけた。


そして気が付く。


そうだ、本当に病気になってしまったことにすればいいんだ。


体調が悪いから帰れない。


そう言って小春ちゃんの家にもう一泊してしまえばいい。


あたしはそう考えて、マスクの下でニヤリと笑ったのだった。