「詩乃っ!お願いがあるのっ!!」


「何っ!?」



詩乃が思わず椅子がガタンと音を立てるほど驚いてしまうくらい勢いよくお願いをしているのには、意味がある。



綺麗に色づいていた紅葉も落ちて木々が寂しく見える11月。



1年を締めくくる前の一大イベントが来月に迫っている。



「詩乃のバイト先でまたアルバイトさせてもらえないかなぁ?」



「アルバイト?……多分店長もハルのこと気に入ってたし、すぐ入れると思うけど突然どうしたの?」



いきなりアルバイトをしたいなんて言い出すんだから疑問に思うのも当たり前。



でも、どうしても。