「可愛いとか今はどうでもいいの!なんとしても夏くんのことを照れさせたいの!!」



昨日も一昨日も、その前も。



デートに行ってからずっと考えてた。



私にも何かできないだろうか。



いや、何かをしたい。


「うん、夏くんをねぇ?」



やっと詩乃も真面目に考えてくれたけれど、これという答えが出てこない。



なぜかと言われれば……



何をしても照れさせられる気がしないから。



そして、詩乃の提案の難易度が高い。



「ハルからキスしたら?」



「無理無理、無理だよ!」



そんなの恥ずかしい。



照れさせる前に、私がダメになってしまいそう。



それじゃダメなんだよ。



「それなら、ハルからぎゅっと抱きつくとか?」



「だからー、もうっ」



考えるだけで恥ずかしい。



果たしてそれで夏くんは照れてくれるのかな?



ドキドキしてくれる?



「とりあえずいろいろやってみようよ。そしたら照れてくれるかもよ?」



「うん……」



とは言ったものの、やっぱりどうしていいかなんてわからない。



そして、そんな今日はタイミングがいいのか悪いのか図書委員会がある日だ。