<ピンポンパンポーン。地震の影響で火災が発生しました。生徒達は先生の指示に従って直ちに避難してください。推定震度5強。繰り返します・・・・・・>

校内放送が流れる。この声は、教頭先生か。

「みんなは避難して!橋本先生、お願いします」

「了解しました」

ちょうど階段のところで橋本先生率いる1組の人たちと合流。もちろん、そこには澪とえりかがいる。

「なあ、おかしいと思わねえか?」

「おかしいって、何が?」

「当然、先生たちはスマフォを持っていはずだ。あれだけ強い地震なら、緊急地震速報が鳴ってもおかしくねぇ。なのに、鳴らなかった」

「あ・・・・・・」

そ、そういえば、そうだ。推定5強の地震。鳴らなきゃ意味無いもん。

「仕方ない。Create imitation」

私が唱えた瞬間、私の体からよく似た女の子─つまり偽物の人形が出てきた。

「お願いね」

人形はこくんとうなずく。

私はそれを見て、急いで列から抜け出す(魔法を使って列から抜け出すまでの時間、僅か1秒足らず)。

火災が起きる場所といえば、調理室か家庭科室!

「つ、ついたっ!」

ここは、家庭科室。室内は業火の海だった。

「仕方ないな。水よ、溢れんばかり。Overflowing water」

手のひらから水が溢れ、炎を襲う。一瞬で鎮火。

「お、終わった・・・・・・」

にしても、ここ、魔力が強い。私が魔法を使ったからじゃない。もっと前からここには魔法がかかってたんだ。

入りたいけど、今じゃ無理だ。帰んなきゃ。

その場から、私は走り去った。


















誰かに見られているとも、知らずに。