「おい」


突然そう嘉さんに呼び止められて振り返ると、急に冷たい感覚が鼻に感じ反射的に目を閉じた。


綺麗な銀髪に微かに、真っ白な雪の結晶が積もってるのを見て目を丸くした。


何事かと思って私の鼻を冷たくした犯人を見た。


「わっ!」


嘉さんの掌に乗るのは、小さな雪だるまが首を傾げるようにしてそこにいた。


嘉さんの顔には似合わない可愛らしい雪だるまを、一体どうして嘉さんが持っているのだろう。


キョトンとした顔で嘉さんを見つめると、無理やり私の手を取ったかと思えば、その可愛らしい雪だるまを手渡してきた。


「えっと……嘉さん??」

「やる」


や、やるってこれは、一体どんな意図で作られたものなのか見当もつかないし、それどころかもしかしたらドッキリも可能性もなくはない……


手に乗せたまま雪だるまを眺めていると、嘉さんは何も言わずに去って行こうとする。


「嘉さんこれって、なんか怪しいもの入ってます?」

「さあ、どうだろうな」


不適な笑みをこちらに向けてくるものだから、思わず落としそうになるものの何とか堪える。

このまま手に持ち続けるのは、手が霜焼けになりそうだ。