「なんで?」


やっとの思いで池田先生はそう言った。


「詳しくはわからないです。ただ、朝その噂を聞いて気になってて」


「そんなのただのデマでしょう? 人の死をそんな噂にするなんてヒドイわよ」


池田先生はしかめっ面をしてそう言った。


本当に怒っているようで声が低くなっている。


「ですよね……」


返す言葉もなかった。


一体だれがどんなつもりで噂を流したのか。


それが気になっていた。


「一旦教室に戻ります」


俺はそう言い、池田先生にお礼を言って保健室を出たのだった。