チマチマバイトをしてようやく《マッドマン・ムービー》に登録できた自分をちっぽけだと感じる。


「ま、これじゃ無理だけどな」


エイトはそう言うと、ユリの前に立った。


ユリがスタンガンを構える。


エイトは何の躊躇もなくドアへと手を伸ばした。


エイトがドアを開けるより先に、廊下側からドアの鍵が開けられた。


ハッとして振り返るユリ。


大きく開かれたドアの向こうには、担任教師が立っていた。


「お前ら、なにしてる!!」


大声で怒鳴り教室に入ってくる担任教師。


エイトはユリを見て「こういう密室を作る時はスマホが使えないってことが、物語の必須条件だろうが」と、ニヤリと笑って言ったのだった。