「あった……」


美桜が小さく呟く。


少し遅れて花が勢いよく立ち上がった。


驚きで目が丸くなっている。


「あんたが盗んでたんだ」


未来が花を睨みつけてそう言った。


花は強く首を振って「知らない! あたし、そんなポーチ知らない!」と、叫んでいる。


その顔は見る見る青く染まっていく。


クラスメート全員が見ている前でこんな事になったのだ。


青ざめない生徒はいないだろう。


「知らないならなんであんたのロッカーに入ってたんだよ!!」


美桜が怒鳴り散らすと花は言葉を失ってしまった。


呆然と立ち尽くすしかできない花。


いつも仲よくしているメンバーたちも、花を助けようとしない。