鞄から乱雑にノートや教科書を取り出して行く美桜。


それらを机の中に入れる前に右手を突っ込んでポーチを取り出そうとしている。


が、もちろん机の中にポーチはない。


美桜は未来と会話をしながら引き出しの中を確認した。


「あれ、おかしいなぁ」


そんな声が聞こえて来る。


「どうしたのぉ?」


未来の方はすでに手鏡を机の上に置いて自分の顔を確認し始めている。


「あたしの化粧ポーチがないんだけど」


美桜はそう返事をしながら、床にしゃがみ込んで引き出しの奥まで確認している。


「昨日間違えて持って帰ったんじゃないの?」


「そんな事しないよ。だっていつも置いて帰るんだし」


美桜はロッカーへと向かって歩き出した。