花の言葉をちゃんときかなきゃいけないと、本能的に感じている自分がいた。


「旧校舎の『ロッカールーム』。あそこには悪魔がいる」


花の言葉にドクンッと心臓が跳ねた。


どうして花が『ロッカールーム』のことを知ってるの!?


全身から汗が噴き出すのを感じる。


落ち着けあたし。


花は『ロッカールーム』の死者のことは話してない。


悪魔とかなんとか、そんなわけのわからないことを言っているだけだ。


偶然自分たちの秘密と被っただけだ。


自分自身にそう言い聞かせて、ひきつった笑顔を浮かべた。


「なにを言ってるのかわからない」


サクがそう言った。


「奥にある木製のロッカーには悪魔が封印されていたの。あなたたち、あのロッカーの奥に貼っているお札を見てないの?」


そう言われて、あたしは一瞬見えたお札を思い出していた。