「空って広いねぇ」 廊下を歩きながらふと窓の外を見て、そう呟けば。 「広すぎて迷子になりそう」 ふざけたみたいに笑いながらコウが答えた。 うん、そうだね。 広すぎて、私たちに見えてるのはほんの一部で。 もっと違うところからも空は見えるはずなのに、自分の視界に入るのはたった少し。 この広い広い世界の中で、この狭い狭い自分の視界で。 本当、迷子になってしまいそうだ。