ねえ、秋樹。 あの時私が声を出さなければ。 きみが我に返らなければ。 私、きみとキスができたのかな。 私たち、なにか変わっていたのかな。 それから、夏休みに入ってしまって。 何度も5人で集まって図書館で勉強したけれど、ふたりきりになることは全然なくて。 秋樹も私も、あのことには一切触れずに春になってしまった。 ねえ、私いまでも考えてるよ。 あの時、きみとキスがしたかったって。