得点板ひとつ挟んだこの距離は、隣にいるのになんだか遠くて。

だけど今、この瞬間だけは、世界中の誰よりも秋樹のそばにいるのは私で。



そんな奇跡みたいなことが、嬉しくて、そわそわして。




秋樹は、卒業前に誰かに告白したりするんだろうか。

私が知らないだけで、もう伝えたのかもしれない。



その子は、私の知らない秋樹の進路だって知っているのかもしれない。


私は秋樹といちばん仲のいい女の子だって自惚れてたけど、私の知らない秋樹は確かにいて、私よりも秋樹を知っている女の子だっているのかもしれない。



秋樹が言いたくないなら進路だって聞かないけれど、なんで言ってくれないんだろう。