「暑っ…」




しばらく新幹線に揺られて、電車に乗り換えて、やっと降り立った見慣れた駅。

都会と田舎の中間みたいなその景色に、なんだか心がほっと落ち着いた。

電車を降りた瞬間の暑さも、あの頃と同じ。





「…あ、来た!」

「アッキー」




そんな声に改札の方を見れば、久々に見る4人の姿。


美容師になるために専門学校に通っているコウは、さすが、髪型もおしゃれになっている。なんだっけああいうの、ツーブロックっていうんだっけ。


それから、さらに大人っぽさに磨きをかけた高嶺が手を振ってくれる。

長かった髪を肩の上くらいまでバッサリ切った柊香は、見慣れないけれどかなり似合っている。


そして、肩より上だった髪は肩下まで伸びて、ふわふわと巻いている芹奈。化粧して大人っぽくなって、眩しくて直視できなかったりして。