「秋樹」


「うん」



「東京でも、頑張ってね。

私、いちばん秋樹のこと応援してるからね」





「うん、ありがとう」





ちゃんと、言えた。




本当は、もっと言いたいことがあるはずで。


言わなきゃいけない気持ちが、あるはずで。



だけどうまく声にならないから。




きっと泣いてしまうから。






「明日はみんなでいっぱい写真撮ろうね!」

「芹奈、泣き腫らした顔で写ってそう」

「あっ、泣きすぎないように気をつけなきゃ!」


「はは、いいじゃん。

泣いた分だけ、楽しかったってことだろ」


「あは、そうだね」