「昨日はごめん!」
卒業まであと1日。
今日は土曜日で普段なら学校は休みだけれど、卒業式のリハーサルのため、卒業式に出席する2.3年生たちはいつも通り登校している。
登校して、教室に入ってすぐ。
私は目の前の席に座っていた秋樹に勢いよく頭を下げた。
「え…」
「本当ごめん……昨日のこと、忘れて」
泣きそうになるのを堪えてそれだけ言うと、何か言いかけた秋樹に気付かないふりをして後ろの席に座る。
「いや、芹奈ー…」
「今日は卒業式のリハーサルだよね、校歌覚えた?」
「え、いや、あの」
「私あんまり覚えてないんだー、やばいなぁ」