「なんで、言ってくれなかったの…?」


「…っ」


「なんで私にだけ、言ってくれないの?」






違う、違うんだ。


私に言うのも言わないのも、秋樹の自由で。


友達だから言わなきゃいけないなんて、そんな義務は全然なくて。


ただ私が、期待しすぎていたんだ。


だからきみのこと、責めようとしていたわけじゃないのに。





「……ごめん」





そう呟いた秋樹の顔を、見れなかった。


俯いた私の視界に映る、私の小さな靴ときみの大きな靴が、涙で揺れていた。