「倍率も高いし、相当な才能のあるやつじゃないと入れないらしいからな。 生徒がプロのカメラマンになったら、俺も嬉しいよ」 本当に嬉しそうに笑う先生に、言葉が返せない。 秋樹は東京の大学に行く。 カメラで、難関の芸術大学に合格した。 「…あれ、どうした?有沢?」 固まったままの私に不思議そうに首をひねる先生。 「……秋樹、東京に行くんですか」 「ああ。 …なんだ、まさか知らなかったのか?」 「……」