きっと、ずっと、恋だった。




みんなが帰ってしまった後の、誰もいない教室。

時計の秒針の規則的な音だけが響いて、妙に緊張してしまう。




「秋樹、席座って」

「うん?」

「前向いて」




私の1つ前の席に座る、秋樹の背中。

私の1番の思い出の光景は、きっとこれで。

私が1番綺麗だと思う景色は、秋樹の背中越しに見るこの大好きな教室だ。


カシャ、とシャッターを切れば、撮れた写真をカメラを覗き込む秋樹。


急に近づく距離に心臓が跳ねて、その柔らかい髪に触れたい気持ちをぐっとこらえた。