行ってくる、と柊香が顔を上げて。 屋上の前にいるよ、って高嶺が答えた。 私は高嶺とふたり、走っていく柊香の背中を見送る。 高嶺の横顔を見上げて、でもなんて声をかけていいかわからなくて。 この5人の関係を壊すのがこわくて、迷っていた柊香。 だからそれを、先に壊した高嶺。 それは高嶺の優しさで、そして柊香への想いの強さを表していた。 「…高嶺、すごいね」 「え?」 「格好よかったよ」