「……祐は、今どこにいるのよ」 『俺は…………』 ──── 『ん………』 見慣れない天井。 俺の家で無いことはわかる。 すこし古臭い匂い。 ゆかは畳。 電気も無い。 襖。 布団。 袴。 袴……? 『はっ?!』 自分の着ているものに驚いて、俺は飛び起きた。 「起きたのね」 するとその声に気づいたのか、女の声が聞こえてきた。