桜樺 -ouka-




朝食が終わると、私は土方さんの部屋へ向かった。






『土方さん、瞳です』






「入れ」






ススー






『あの、花見はどこでやるのでしょうか』






「お前と縁のある桜の木があんだろ?そこでいい」






『わかりました』






「ん」






『……あの、土方さん』






「なんだ」






『本当に、私のためにありがとうございます』






「別にお前のためじゃねぇ」






そんな口調とは裏腹に、彼は優しい笑みを浮かべていた。