桜樺 -ouka-




「それは?」






『もちろん、友達として、だけど!!』






「クソ〜」






『ふふっ』






「瞳」






突然、祐の顔が近づいたかと思うと、唇に柔らかいものがあたった。






すぐに祐がキスをしたんだとわかった。






『ゆ、祐っ!!////』






「最期くらい、いーだろ」






内緒、なんて言うように、祐は唇に指を当てて私を覗き込んだ。






『まったく』






「それじゃあな」






そう言って背を向けて歩いて行く祐の姿。小さい頃からずっと一緒だったのに。
もう二度と会えないなんて、考えもしなかった。






視界がどんどん薄れていく。






ガシッと涙を拭うと、大声で叫んだ。






『またなーーーーーっっ!!!!』






驚いた顔で振り向く祐だけど、すぐに優しい笑顔になり






「またなっ!!!!」