私達が来たのは、小さい頃よく遊んだ大きな一本の桜の木が立つ公園。
ここには色々な思い出がある。
「ここ、よく遊びに来たよな〜、桜の花びらを空中でキャッチしたりとかな!!」
祐は無下記の思い出を回想するように、目を細めながらにこやかに笑っているが、瞳はその正反対の表情をしていた。
かなしそうな、悔しそうな、辛そうな……複雑な表情をしていた。けど、彼女がいい事を考えてはいないということだけは祐にもわかった。
「…………お前に……」
祐が何か言ってたけど、声が小さくて聞き取れなかった。
『なんて言ったの?』
「お前に、そんな顔しないでほしい」
『そんな顔って?私はいつもこうよ、あなたも知ってるでしょ』
「……お前の話っていうのを聞く前に、言いたいことがあるんだ」


