桜樺 -ouka-



すると沖田さんは頬をピンク色に染めて笑い出した。




「ぷっ。面白いね、瞳は。僕は今目の前にいる子が好きなんだよ」





沖田さんの見ている先にいるのは私と……





私だけだ…。





『え……じゃあ』





沖田さんはいつになく優しい笑顔で言った。






「僕と恋仲になってもらえませんか」





その言葉を聞いた途端、今まで辛かったことが嘘のように幸福でいっぱいになった。






『う゛っうぅ……ふぁい…!!!』






「もう泣かないでよ〜」






『ちがうのぉ……嬉しいの』






「っ///// そんな顔、僕以外に見せないでよね」





『??? うん』





すると山南さんが孫を見るような目で近づいてきた。





「いやぁ…おめでとうございます。沖田さん、鈴木さん」






『ありがとうございます』






「ありがとうございます」





「では、そろそろ帰りますか」





『はい』